合併・改称で金融機関コードはどうなるか?
金融機関コードは一度決まったら変わらないものではありません。
合併・商号変更・廃業のたびに、
引き継がれたり、使われなくなったりしています。
どの金融機関にいつ何が起きたかは合併・改称・廃業情報に一覧があります。
金融機関コードが変わる場合・変わらない場合
金融機関に起きる出来事は「合併」「商号変更」「経営統合」「廃業・事業譲渡」「新設」に分けられます。
金融機関コードの扱いはそれぞれ異なります。
| 出来事 | 金融機関コードの扱いと実例 |
|---|---|
| 合併 | 存続する側の金融機関コードが残り、消滅する側の金融機関コードは使われなくなる。 実例:2025年1月1日発足の青森みちのく銀行(青森銀行+みちのく銀行)は旧青森銀行の0117を引き継ぎ、旧みちのく銀行の0118は消えた ほかの合併例をまとめた表 |
| 商号変更 | 金融機関コードは変わらない。 実例:2026年8月3日に住信SBIネット銀行がドコモSMTBネット銀行へ商号変更した際も、金融機関コード0038・支店コード・口座番号はいずれも変更なし |
| 経営統合 | 金融機関コードは変わらない(2つが並存する)。 実例:2023年6月29日に横浜銀行が神奈川銀行を完全子会社化したが、両行は合併しておらず、金融機関コードは横浜銀行0138・神奈川銀行0530のまま並存している |
| 廃業・ 事業譲渡 |
金融機関コードが使われなくなる。 実例:2026年6月1日に山形證券・三津井証券が金融商品仲介業者へ転換し、証券会社ではなくなったため、金融機関コード0653・0840は使われなくなった |
| 新設 | 新しい金融機関コードが割り当てられる。 実例:2021年5月28日開業のみんなの銀行は金融機関コード0043、2022年1月17日開業のUI銀行は0044。いずれも既存行の合併ではなく新設の銀行として発足した |
合併では「新しい金融機関コード」が作られるとは限らない
合併して新しい名前になると金融機関コードも新しくなると考えがちですが、実際には 存続する側の金融機関コードがそのまま使われるケースが多く見られます。
| 実施日 | 消滅した側 | 存続した側 | 合併後の 商号 |
|---|---|---|---|
| 2020年 10月1日 |
十八 (0180) |
親和 (0181) |
十八 (0181) |
| 2021年 1月1日 |
北越 (0141) |
第四 (0140) |
第四 (0140) |
| 2025年 1月1日 |
みちのく (0118) |
青森 (0117) |
青森 (0117) |
| 2025年 1月1日 |
中京 (0544) |
愛知 (0542) |
あいち (0542) |
| 2026年 1月1日 |
長野 (0533) |
八十二 (0143) |
八十二 (0143) |
| 2026年 5月2日 |
福邦 (0537) |
福井 (0147) |
福井 (0147) |
存続した側の金融機関コードは全国銀行資金決済ネットワーク「統一金融機関番号一覧」で確認したものです。
消滅した側は同じ一覧から削除されているため、合併前の全銀データで確認しています。
名前が両行を組み合わせたものに変わっても、金融機関コードは片方が引き継がれ、
もう片方が使われなくなる、という形になります。
そして、合併後の名前の並び順と、金融機関コードが残った側は一致するとは限りません。
十八親和銀行は「十八」が先に来ますが、法人として存続したのは親和銀行のほうです。
残ったのも親和銀行の金融機関コード0181で、十八銀行の0180は使われなくなりました。
一方、福井銀行と福邦銀行の合併のように、存続した側の商号がそのまま残って
名前がまったく変わらないケースもあります。
合併の前に、消滅する側の支店コードが変わることがある
金融機関コードが1つにまとまると、同じ銀行の中に同じ支店コード(店番)や同じ支店名が2つ並ぶことになります。
全銀システムは店舗を金融機関コード・店番・店名で識別しているため、重複したままにはできません。
そこで合併日より前に、重複する支店コードと支店名をあらかじめ変更しておくという手順が取られます。
たとえば2026年5月2日に福井銀行へ吸収合併された福邦銀行では、その1年半前から変更が始まっていました。
2024年10月28日と2024年12月9日の2回に分けて、あわせて32店舗の店番・店名が変更されています。
| 変更内容 | 店舗数 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|---|
| 店名だけ | 22店 | 春江支店 (110) |
春江中央支店 (110) |
| 店番だけ | 2店 | 社支店 (060) |
社支店 (175) |
| 店名と店番 | 8店 | 大阪支店 (610) |
大阪中央支店 (663) |
福邦銀行はこの変更の理由を、 「合併日以降に同一銀行内で重複する店番・店名が存在すると店舗の判別が行えず、お振込み等のお取引に支障をきたす」 と説明しています。
旧店番・旧店名あての振込を新しいものへ読み替える期間も設けられましたが、期限がありました。
2024年10月28日の変更分は2024年12月30日15時、2024年12月9日の変更分は2025年2月28日15時で読替が終わり、
それ以降は旧店番あての振込を受け取れなくなっています。
合併で気をつける日は、合併日だけではありません。
消滅する側に口座がある場合、合併日より前に支店コードや支店名が変わっていることがあります。
商号変更で金融機関コードが変わらない理由
商号変更は法人格が変わらないため、金融機関コードを付け替える必要がありません。
たとえば2021年4月5日にジャパンネット銀行がPayPay銀行へ、
2023年1月4日に新生銀行がSBI新生銀行へ商号変更していますが、いずれも変わっていません。
ただし振込時の名称の扱いには経過措置が置かれることがあります。
たとえば住信SBIネット銀行からドコモSMTBネット銀行への商号変更では、
旧商号あての振込は2026年10月30日まで受け付けられるとされています。
経営統合の段階では金融機関コードは統合されない
経営統合は、持株会社のもとに複数の銀行が入る形です。
各行が法人として存続するため、
金融機関コードもそれぞれ残ります。
たとえば2025年9月29日に基本合意を発表した千葉銀行と千葉興業銀行は、
2026年3月25日に経営統合契約書を締結し、
2027年4月1日に共同持株会社「ちばフィナンシャルグループ」を設立すると公表しています。
共同株式移転の方式で持株会社の傘下に入る形であり、両行は合併せずそれぞれ法人として存続するため、
金融機関コード(0134・0135)は変更されていません。
経営統合と合併は別の段階であり、金融機関コードが1つになるのは合併の段階です。
加盟金融機関は35年で1/4以下になった
金融機関コードが個別に消えていく動きは、全銀システムの加盟金融機関数にも表れています。
全国銀行資金決済ネットワークの資料(2019年12月発行)に掲載された数値は次のとおりです。
| 時期 | 加盟金融機関数 | 店舗数 |
|---|---|---|
| 1973年 (発足時) |
88行 | 約7,400店舗 |
| 1979年 | 708行 | 約18,000店舗 |
| 1984年 | 5,479行 | 約40,000店舗 |
| 1987年 | 5,304行 | 約42,000店舗 |
| 1995年 | 3,552行 | 約44,800店舗 |
| 2003年 | 1,679行 | 約37,250店舗 |
| 2011年 | 1,371行 | 約32,500店舗 |
| 2019年 | 1,229行 | 約30,900店舗 |
ピークの5,479行(1984年)から1,229行(2019年)へ、35年で1/4以下になっています。
ただし、どの業態も同じように減ったわけではありません(→ 業態別の内訳)。
ただし店舗数は同じようには減っていません。
1984年の約40,000店舗に対して1995年は約44,800店舗と、機関数が5,479行から3,552行へ減る間にむしろ増えています。
合併で減ったのは金融機関の数(=金融機関コードの数)であって、窓口の数ではないということです。
減ったのは、ほとんどが農協・漁協
同じ資料には業態別の内訳も載っています。
並べてみると、減り方が業態でまったく違うことがわかります。
| 業態 | 1995年 | 2019年 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 農協・漁協系 | 2,563 | 673 | −1,890 |
| 信用組合 | 364 | 145 | −219 |
| 信用金庫 | 419 | 258 | −161 |
| 労働金庫 | 48 | 14 | −34 |
| 全国銀行等 | 155 | 132 | −23 |
| 外国銀行 | 3 | 7 | +4 |
| 合計 | 3,552 | 1,229 | −2,323 |
農協・漁協系は、原本では「農中・信連・信漁連・農協」(農林中央金庫、信用農業協同組合連合会、信用漁業協同組合連合会、農業協同組合)とまとめられている区分です。
2,323の減少のうち1,890、およそ8割が農協・漁協系です。
全国銀行は155行から132行へ23しか減っておらず、外国銀行にいたっては増えています。
信用金庫が161、信用組合が219で、合わせても農協・漁協系の1/4に届きません。
そもそも1984年に5,479行というピークができたのも、
同年8月に信用組合・労働金庫・農業協同組合等が加盟したためです。
その直前の加盟は708行でした。
ピークを作ったのも、その後の減少を作ったのも、同じ農協・漁協系です。
数が減る経路は合併だけではない
大半は合併ですが、それだけではありません。
組織はそのまま残っているのに、金融機関コードだけが使われなくなることがあります。
- 信用事業の譲渡・代理店化:農協・漁協が組織としては存続したまま、信用事業だけを県の連合会へ譲渡し、以後は代理店として窓口を担う。 たとえば馬路村農協は2020年9月20日に信用事業を 高知県信用農業協同組合連合会へ譲渡し、「馬路村代理店」になりました。 宮城県漁協も2024年4月1日に東日本信用漁業協同組合連合会へ譲渡しています
- 業態転換:山形證券・三津井証券が2026年6月1日に金融商品仲介業者へ転換し、証券会社ではなくなりました
- 撤退:ウニクレディト銀行東京支店(2022年1月18日)、クレディ・スイス銀行東京支店(2024年5月31日)のように、日本から撤退した外国銀行もあります
合併なら存続する側の金融機関コードに寄せられますが、これらには寄せ先がありません。
金融機関コードが単に使われなくなるだけです。
加盟機関の大半は全銀システムに直接つながっていない
信用金庫・信用組合・労働金庫・農業協同組合は、業態ごとに共同システムを運営していて、
そのシステムを通じて全銀システムに接続しています。
2019年11月末時点の1,229機関のうち、直接の清算参加者は143機関にとどまり、
残る1,086機関は代行決済委託という形です。
当サイトでは、費用や使い勝手を理由に金融機関が全銀システムの加盟をやめた事例を確認していません。
振込を受け取れることは預金を扱う金融機関の基本的な機能であり、
規模の小さい機関ほど業態の共同システムを通じて参加する仕組みになっています。
全国銀行内国為替制度のあゆみ
金融機関コードは、全国の金融機関を結んで振込などの為替取引を処理する
全銀システム(全国銀行データ通信システム)で使われています。
そのシステムの側の経緯は公表されています。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1943年 | 日本銀行において内国為替集中決済制度を実施 |
| 1958年 | 為替決済制度を改正し、各地の銀行協会に為替交換室(27か所)を開設 |
| 1968年 | 全国地方銀行データ通信システム稼働 |
| 1973年4月 | 全国銀行内国為替制度が発足し、全銀システムが稼働(1973年4月9日)。 参加は全国銀行および商工中金の88行。 同月18日に東京為替交換室が廃止された |
| 1979年2月 | 第2次全銀システム稼働。 相互銀行・信用金庫・農林中金等が加盟 |
| 1982年 | 在日外国銀行が初めて加盟 |
| 1984年 | 信用組合・労働金庫・農業協同組合等が加盟 |
| 1987年11月 | 第3次全銀システム稼働。 東京・大阪の2センター方式へ |
| 1995年 | 第4次全銀システム稼働。 証券会社の信託銀行子会社等が加盟 |
| 2003年 | 第5次全銀システム稼働 |
| 2009年1月 | ゆうちょ銀行が加盟 |
| 2010年 | 運営が一般社団法人全国銀行資金決済ネットワークへ移管 |
| 2011年 | 第6次全銀システム稼働 |
| 2018年10月 | モアタイムシステム稼働。 全銀システムの24時間365日稼働が実現 |
| 2019年11月 | 第7次全銀システム稼働 |
1958年に各地の銀行協会へ置かれた為替交換室は、為替の内訳書を持ち寄って交換するための場でした。
そのうち東京為替交換室は、全銀システムの稼働から9日後の1973年4月18日に廃止されています。
参加の順番が業態ごとに分かれている
1973年の発足時点で参加していたのは、全国銀行と商工中金の88行だけでした。
そこへ1979年に相互銀行・信用金庫・農林中金等、1982年に在日外国銀行、
1984年に信用組合・労働金庫・農業協同組合等が加わり、
2009年1月にゆうちょ銀行が加盟しています。
ゆうちょ銀行の口座は記号・番号で管理されており、他の金融機関からの振込では
店名(漢数字3文字)と口座番号への読み替えが必要です。
詳しくは
ゆうちょ銀行の支店名・店番号を参照してください。
金融機関コードがいつ決められたかは公表されていない
全銀システムの経緯とは対照的に、統一金融機関コードそのものがいつ・どのような規則で
定められたかは、確認できる形では公表されていません。
当サイトで確認した範囲では、次のいずれにも記載がありませんでした。
- 全国銀行協会「全銀協の歴史」の沿革
- 全国銀行協会「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」の解説
- 全国銀行資金決済ネットワークの資料(2019年12月発行)に掲載された年表
- 日本銀行「日銀ネット・コード一覧」
付番の規則や、使われなくなった金融機関コードの扱いについても同様です。
当サイトでは、過去に使われた金融機関コードが別の金融機関に再割当てされた事例を確認していませんが、
規則が公表されていない以上、再利用されないと断定することはできません。
なお、明治以降に設立された銀行の設立・合併・営業譲渡・解散・商号変更の沿革については、 全国銀行協会が 銀行変遷史データベース を公開しています(金融機関コードは収録されていません)。
口座のある金融機関が合併・改称したら
-
まず商号変更か合併かを確認する。
→ 商号変更だけなら金融機関コード・支店コード・口座番号は変わりません。 -
合併の場合は、存続する側の金融機関コードを確認する。
→ 自分の口座がある側が消滅する側だと、金融機関コードと支店コードの両方が変わることがあります。
金融機関コード・支店コードの検索で新しい名称から調べられます。 -
給与振込・口座振替の登録先を確認する。
→ 勤務先への届出や、公共料金・クレジットカードの引き落とし口座の登録内容の変更が必要になる場合があります。
多くの金融機関では一定期間の経過措置が設けられますが、期限があります。 -
最終的な確認は各金融機関の公式発表で行う。
→ 期日や手続きは金融機関ごとに異なります。
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