JAバンク・JFマリンバンクのしくみ
振込先を選ぶ画面で「JAバンク」を探しても見つからない、という状況があります。
JAバンクという名前の金融機関は存在しないためです。JFマリンバンクも同じです。
「JAバンク」も「JFマリンバンク」もグループの名称
どちらも運営者自身が「グループの名称」と説明しています。
JAバンクは全国に店舗網を展開しているJAバンク会員(JA・信連・農林中金)で構成するグループの名称です。 JAバンク「JAバンクとは」
JFマリンバンクとは、貯金や貸出など信用事業を行う全国の漁協・信漁連・農林中央金庫で構成するグループの総称です。 JFマリンバンク「JFマリンバンクとは」
つまり両方とも、複数の金融機関が集まったグループにつけられた名前です。
実際に口座があるのは、グループを構成するそれぞれの組織のほうです。
3つの階層でできている
JAバンクは市町村・都道府県・全国の3つの段階に分かれています。
JFマリンバンクも同じかたちで、全国段階の農林中央金庫は両方に共通しています。
| 段階 | JAバンク | JFマリンバンク |
|---|---|---|
| 全国 | 農林中央金庫 | |
| 都道府県 | 信連 (信用農業協同組合連合会) |
信漁連 (信用漁業協同組合連合会) |
| 市町村など | JA(農協) | 漁協 |
それぞれの役割も、JAバンク公式サイトが説明しています。
「信連」 JA系統信用事業の都道府県段階の連合会組織です。JAの事業運営をサポートする県域機能を発揮するとともに、地域金融機関としてJAと連携して金融サービスを提供することにより、JAと一体となって地域の皆さまに金融サービスを提供しています。 JAバンク「JAバンクとは」
「農林中央金庫」 農業協同組合(JA)、漁業協同組合(JF)、森林組合(森組)等の出資による協同組織の全国金融機関です。 JAバンク「JAバンクとは」
階層ごとに金融機関コードが分かれている
この3つの階層は、金融機関コードの上でも分かれています。
農林中央金庫・信連・JA・漁協系は、それぞれ別の範囲に置かれています。
| 組織 | コードの範囲 |
|---|---|
| 農林中央金庫 | 3000 |
| 信連 | 3001〜3049 |
| JA(農協) | 3050〜9449 |
| 漁協・信漁連 | 9450〜9496 |
❗ 付番のルールそのものは公表されていません。
上の範囲は、実際に使われているコードから当サイトが整理したものです。コードの読み方は「金融機関コードと支店コードの基礎知識」で説明しています。
振込先は「JAバンク」ではなく個々のJAを選ぶ
農協は市町村を単位に置かれてきたため、数が多く、それぞれに金融機関コードがあります。
振込先を探すときは「JAバンク」ではなく、相手の口座がある農協の名前で探すことになります。
同じ県の中にも複数の農協があります。長野県の場合、県内のJAと信連の金融機関コードはJAグループ長野が一覧で公表しています。
探し方は「金融機関コードの調べ方」、業態そのものの違いは「金融機関の種類」にまとめています。
信漁連は県を越えて広がっている
都道府県段階の連合会は、県ごとに1つとは限りません。
漁協側では複数の県の信漁連が合併した広域の連合会ができています。東日本信漁連は自らの沿革をこう説明しています。
当連合会は東日本12都県域の信漁連の合併により設立しました。その後令和6年4月に宮城県漁協から信用事業譲渡を受け、令和8年4月に福島県信漁連と合併し、現在は14都県域にまたがる運営を行っております。 東日本信用漁業協同組合連合会「東日本信漁連について」
設立は2021年4月1日です。
同じように県を越えた連合会として、西日本信漁連・九州信漁連・なぎさ信漁連があります。
また、県内の漁協が1つにまとまり、その漁協が信用事業を担っている県もあります。
当サイトに登録されている「宮城県漁協」「山口県漁協」「大分県漁協」「JFしまね漁協」がこれにあたります。
合併していなくても金融機関コードが使われなくなることがある
金融機関コードが変わる場面としては合併がよく知られていますが、農協・漁協にはもう1つのかたちがあります。
組織としては存続したまま、信用事業だけを都道府県段階の連合会へ譲渡する場合です。
上の引用にある「令和6年4月に宮城県漁協から信用事業譲渡を受け」がその例です。
宮城県漁協は漁協として存続していますが、信用事業は東日本信漁連へ移りました。合併とは違い、法人はそのまま残ります。
この場合、それまで使われていた金融機関コードは使われなくなります。
合併や商号変更でコードがどう扱われるかは「合併・改称で金融機関コードはどうなるか?」で説明しています。
貯金を守るしくみも銀行とは別
農協・漁協の貯金は預金保険機構ではなく、農水産業協同組合貯金保険機構が扱います。
保護される単位については「預金保険で守られる単位」にまとめています。
