金融機関の用語集
銀行でよく見かけるのに、いざ説明しようとすると迷う言葉があります。
「当座」「振替」のような身近だけれど輪郭のはっきりしない言葉を集めました。
預金の種類
- 普通預金
- 日常の出し入れに使う、もっとも身近な預金です。全国銀行協会は「もっとも広く知られ、なじみ深い預金」「お財布がわりに日常的に使えます」と説明しています。利息が付きます。
- 当座預金
- 手形や小切手の支払いに使う預金で、企業や個人事業主が使います。普通預金と大きく違う点が2つあります。
1つは利息が付かないこと。これは銀行が決めているのではなく、臨時金利調整法によって利息を付けることが禁じられているためです。
もう1つは金融機関が破綻しても全額が保護されること。下の「決済用預金」にあたるためです。 - 定期預金
- あらかじめ預け入れ期間を決めて預ける預金です。満期まで原則として引き出せないかわりに、普通預金より金利が高く設定されます。
全国銀行協会は「定期預金は預け入れ期間を決めて利用するため高金利」と説明しています。 - 決済用預金
- 利息が付かず、いつでも引き出せて、支払いに使えるという条件を満たす預金です。
通常の預金は元本1,000万円とその利息までが保護の範囲ですが、決済用預金は全額が保護されます。当座預金がこれにあたります。
保護される単位については「預金保険で守られる単位」で説明しています。 - 貯蓄預金
- 残高が決められた金額(基準残高)以上あると、普通預金より金利が高くなることが多い預金です。
出し入れは自由ですが、自動支払い・自動受け取りには使えません。給与の受け取りや公共料金の引き落としには向きません。 - 総合口座
- 普通預金と定期預金、公共債などを組み合わせた口座です。
「ためる」「ふやす」「受け取る」「支払う」「借りる」の機能がひとまとめになっています。 - 当座貸越(とうざかしこし)
- 総合口座の「借りる」にあたる機能です。定期預金を担保に、普通預金の残高が足りないときへ自動で借り入れができるしくみをいいます。
引き落としの日に残高が足りなくても、この範囲内なら決済されます。名前に「当座」とありますが、上の当座預金とは別のものです。 - 口座凍結
- 金融機関が口座の利用を一時的に止めることです。引き出しも振込もできなくなります。
❗ 公共料金などの自動引き落としも止まります。
預金の金利は自由化されていますが、当座預金だけは規制が残っています。
全国銀行協会は当座預金を「法律(臨時金利調整法)により利息を付けることが禁じられている預金」と説明しています。
この位置づけは古くから続いているもので、金融庁が2002年(平成14年度)に出した資料にも 「現在、既に無利息との規制が課されている当座預金については、無利息のままとする」と記されています。
お金を動かすことば
- 振込
- 別の名義の口座へお金を送ることです。相手の金融機関・支店・口座番号・名義が必要になります。
手順は「銀行振込のやり方」にまとめています。 - 振替
- 同じ名義の口座の間で資金を移すことです。自分の口座から自分の口座へ移すときに使います。
ATMの画面では振込と振替が並んでいることが多く、選び間違えやすい箇所です。
違いは「振込と振替の違い」で説明しています。 - 口座振替(引き落とし)
- 公共料金やカードの代金などが口座から自動で引かれるしくみです。
振込との違いは「誰がお金を動かすか」にあります。
振込は自分が相手へ送るもので、毎回こちらが手続きをします。引き落としは相手が自分の口座から引くもので、そのかわりあらかじめ引き落としの申し込みをして許可を与えておく必要があります。
「振替」とも名前が似ていますが、振替は自分の口座どうしの移動なので別のものです。 - 組戻し(くみもどし)
- 振込を間違えたときに、送った資金を返してもらう手続きです。
❗ こちらの都合だけでは取り消せません。東京スター銀行は「受取人が返金に同意しない場合や、受取人と連絡が取れない場合は、組戻ができません」としています。手数料もかかります。 - 名義(受取人名)
- 口座の持ち主の名前です。振込のデータ上はカタカナで扱われます。
群馬銀行は受取人名を「『半角カタカナ』、『半角英大文字』、『半角数字』で入力してください」と案内し、 正しく入力されていないと処理できない場合があるとしています。法人の略号(カ)( カブシキガイシャ )などの書き方も決まっています。 - 名寄せ
- 金融機関が破綻したとき、同じ人が同じ金融機関に持っている複数の口座をまとめることです。 保護される金額はこのまとめた後の残高で決まります。 → 「預金保険で守られる単位」
- 為替(かわせ)
- 現金を運ばずに、指図だけでお金のやりとりを済ませるしくみのことです。
振込はこれにあたります。全国銀行資金決済ネットワークは、国内で日本円により行うものを「内国為替取引」と呼び、金融機関が 「資金を送る人と受け取る人のそれぞれの預金口座の金額を増減することにより」提供していると説明しています。
国をまたぐものは「外国為替」と呼び分けます。 - 為替取引
- 現金を直接運ばずにお金を移す業務のことです。振込はこれにあたります。
法律上、為替取引を行える先は限られており、たとえば農協では貯金を受け入れている組合だけが行えます。 → 「貯金を扱う農協・扱わない農協」
お金の量をあらわすことば
- 元本(がんぽん)
- 最初に預けた(または借りた)お金そのものです。利息を計算するときの基礎になります。
預金保険で「元本1,000万円まで保護」というときの元本は、利息を含まない預けた金額のことです。 - 利息
- お金の貸し借りに対して支払われる対価です。
預金の場合は預けた側が受け取ります(銀行にお金を貸している形になるため)。当座預金に利息が付かないのは、上に書いたとおり法律による例外です。 - 金利
- 元本に対する利息の割合です。ふつうは1年あたりに換算した利率で示されます。
預ける側から見れば受け取る割合、借りる側から見れば支払う割合になります。 - 固定金利・変動金利
- 固定金利は契約期間(または一定期間)のあいだ金利が変わらないもの、変動金利は途中で市場金利に合わせて見直されるものです。
住宅ローンなどを選ぶときに必ず出てくる区別です。 - 単利・複利
- 単利は最初の元本に対してだけ利息がつく計算、複利は付いた利息も元本に加えて次の利息を計算する方法です。
複利は期間が長いほど差が開くため「雪だるま式」とも呼ばれます。 - 満期日
- 契約の期間が終わる日です。定期預金では、この日を過ぎると引き出せるようになります。
単に「満期」とも呼ばれます。
守るしくみと手続きのことば
- ペイオフ
- 金融機関が破綻したときに預金者の預金を保護する制度のことです。
保護されるのは1金融機関ごとに元本1,000万円までとその利息で、それを超える分は破綻した金融機関に残った財産の状況に応じて支払われるため、一部戻らないことがあります。
くわしくは「預金保険で守られる単位」で説明しています。 - 担保
- 約束が守られなかったときに備えて、あらかじめ差し出しておくものです。
上の当座貸越では定期預金が担保になっていて、借りたぶんは満期のときに定期預金から差し引かれます。 - 休眠口座(休眠預金)
- 長いあいだ取引のない、眠ったままの口座のことです。
10年動きがないと法律上の「休眠預金等」として扱われます。→ 「10年動きのない口座(休眠預金)」 - マイナンバー
- 住民一人ひとりに割り振られる12桁の番号です。口座開設のときに提示を求められることがあります。
- 日本銀行(日銀)
- 日本の中央銀行です。日本銀行法で定められた認可法人で、政府機関でも株式会社でもありません。
金融機関どうしの決済は日銀に置かれた口座を通して行われます。日銀と金融機関を結ぶネットワークについては「全銀コードと日銀コードの違い」で説明しています。 - インターネットバンキング
- インターネット経由で振込や残高照会などができるサービスです。窓口やATMへ行かずに手続きができます。
- ワンタイムパスワード
- 一度だけ使えて、短い時間しか有効でないパスワードです。英語のOne-Time Passwordから「OTP」とも呼ばれます。
インターネットバンキングで振込をするときの本人確認に使われます。
紙の決済のことば
- 小切手
- 「この紙を持ってきた人に、私の当座預金から払ってください」と銀行に指示する紙です。
受け取った側は銀行へ持ち込めば換金できます。多額の現金を持ち歩かずに支払えるのが利点でした。 - 手形(約束手形)
- 「いまは払えないが、○月○日に払う」という約束を紙にしたものです。
小切手との違いは支払いが先の日付になる点で、受け取った側はその期日まで待ちます。支払う側は払うまでの時間を稼げるため、企業間の取引で使われてきました。 - 不渡り
- 期日が来たときに当座預金の残高が足りず、支払われなかった手形・小切手のことです。
金融機関どうしのやりとりの場である電子交換所は、規則で「取引停止処分制度の運営」を自らの事業として定めています。不渡りを繰り返すと当座勘定の取引が停止され、事実上その企業は手形を使えなくなります。 - 手形・小切手の電子化
- 🔴 紙の手形・小切手は廃止へ向かっています。
金融庁の資料は「2026年度末までに電子交換所における手形・小切手の交換枚数をゼロ」とし、 「2027年度初から電子交換所における手形・小切手の交換を廃止する」としています。
切り替え先は、でんさい(電子記録債権)やインターネットバンキングによる振込などです。
金融機関コードのことば
金融機関コード・支店コード・SWIFTコードのように番号にまつわる用語と、業態やしくみの名前は、記事ごとに分かれています。
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